建築材料として“木”は千年以上も前から使われており、ほかの建築構造材料の歴史とは比較にならないほどの実績があります。一般に木の強度は、鉄やコンクリートに劣ると思われがちですが、それは誤りです。
建物の強さを比較するとき最も重要とされるのが、“重さに対する強さ”です。木・鉄・コンクリートを比較した場合、木のひっぱり強度は鉄の約4倍となり、圧縮の強度ではコンクリートの約6倍にもなります。
地震の際に建物が受ける振動エネルギーは建物の重さに比例するので、比重の小さい木材(比重0.3~0.8)は、鉄(同7.8)やコンクリート(同2.3)よりも強い素材といえるのです。